Jan Manichのサッカー観戦記

「This Game」この試合に全集中

ゼロからのスタートとなった中国代表

日本代表 2ー0 中国代表(AFCアジア予選)

監督が交代してから初の公式戦。中盤の要ウーシーをトップ下に配置し、バランスを重視した先発で挑んだ中国代表。立ち上がり10分アグレッシブな姿勢で日本代表に立ち向かったが、徐々にプレスがかからなくなり、防戦一方に。そして、ペナルティエリア内でのハンドを取られPKで失点。その後もボールを支配され続けた。

守備面では人中心の守備を実行するもファーストディフェンダーのプレスは甘く、広がった中盤ラインの間に縦パスを入れられ続けた。前節、前々節の前監督の元ではゾーンディフェンスの意識を持ち、うまく守れていたが、今回はチームとしての統率はあまり取れていないようだった。しかし、ディフェンスラインの1人1人のフィジカル能力は高く、日本代表相手でもしっかりと戦うことができていた。

攻撃面では奪ったボールを前線へうまく運ぶことができず、前線の選手にボールを預けても能力的に1人で打開することは難しく、ハーフウェーラインを超えることさえ、ほとんどできなかった。

攻守ともにチームがゼロからのスタートになっており、次のベトナム戦も難しい試合になるだろう。ここから試合をこなしてまたチームとして成熟していくことを期待したい。

 

ジャン(アラン)

ハオ(ウェイ) ウーシー ウーレイ(リュウ

ワン シューシン

ジェン(ドン)シュー ブラウ チャン(ダン)

イエン

圧倒的な決定力

PSG 4ー1 クラブ・ブリュージュ(CL6)

マンチェスター・シティに首位の座を譲り、2位で決勝トーナメント進出を決めているPSG。グループステージ最終節を振り返っていきたい。

 

既に勝ち上がりを決めているため、多少のメンバー変更があると思われたが、今いる選手でのベストの布陣を組んだPSG。開始早々にエンバペの見事な2得点で難なく試合を進め、前半の終盤にはこれぞメッシのダメ押し点。あっさり前半で試合を決めてしまった。エンバペ、メッシにボールが入れば、全てが解決してしまう。恐ろしいチームであることは間違いない。

しかし、ハキミやワイナルドゥムなどはまだまだメッシと共鳴することはできていない。右サイドの連携が深まれば脅威がさらに増し、相手チームにとって手がつけられないチームとなるだろう。

2月のマドリーとの決戦までに更なる進化があるのか。

楽しみに待ちたい。

 

 

エンバペ(イカル)、メッシ、ディマ(エレーラ)

ゲイェ(パレデス)、ヴェラ(エビ)、ワイナ

メンデス(ケーラー)、ディアロ、マルキ、ハキミ

ドンナルンマ

力尽きたゲイェとエレーラ

マンチェスターシティ2 ー 1PSG(CL5)

順当に勝ち星を積み重ねてきた両チーム。首位攻防のビッグマッチ。PSGの天才たちがどのような輝きを見せたのか。

グループステージ第5節を振り返っていきたい。

 

MNNが揃い組だが、またしてもヴェラッティが欠場。ビルドアップが難しくなるかと思われたが、立ち上がり15分間パレデスが素晴らしいゲームメイク能力を発揮する。ズバッと何度も斜めのパス、縦パスで前線のトリオにボールを供給した。

しかし、相手が前線からのプレスの圧力を強め、次第に防戦一方に。しかし、マルキーニョスを中心とした守備陣が要所を抑え、シュートをことごとくブロックし、耐え続けた。それでもメッシにボールが入れば状況は一変した。相手を押し返し、ボールポゼッションできる時間帯もあった。どちらのチームも持ち味を存分に出した前半はPSGとしてはグループステージ初めてのスコアレス。

後半に入ると相手の一瞬のすきをつき、MNNトリオで一気に先制ゴールを奪った。

しかし、前半から相手にサイドを広く使われ、そこから深い位置を取られ、ボールを戻され、逆サイドへのクロスされ、相手の理詰め攻撃にミッドフィルダーを含めた7人の守備陣が走らされ続けた。ゲイェとエレーラが同時に太もも裏を痛めるのは必然だったかもしれない。リアクションの守備で、スプリントも多く、なおかつ、3トップをフォローするため、前線にも顔を出す。60分で体が限界に達するのは当然だった。交代でダニーロ、ディマリアを投入したが、この2人では相手の攻撃を食い止めるのは難しかった。その後2ゴールを奪われ逆転負け。

PSGにとって悔しい敗戦となった。強敵を相手にするには、あと2人のワールドクラスの選手が必要だった。ヴェラッティとワイナルドゥム。全員が揃わなければ優勝は難しいだろう。

 

スタメン

ネイマール、エンバペ、メッシ

ゲイェ(ディマ)、パレデス、エレーラ(ダニーロ

メンデス(ケーラー)、キンペ、マルキ、ハキミ

ワイナルドゥムの生きる道

ライプツィヒ 2 ー  2 PSG(CL4)

グループステージ前半戦を2勝1分で勝ち点7を積み上げ、グループ首位で折り返したPSG。グループステージ第4戦。前節の再戦となるライプツィヒとの試合を振り返っていきたい。

 

この試合メッシ、ヴェラッティが怪我のため欠場。試合に絶大な影響を与えていた2選手を欠くことになったが、ディマリアが出場停止から復帰した。

立ち上がり自陣でボールを失い、ショートカウンターを浴び失点。初めて先制を許す展開となった。その後もヴェラッティのいない影響が大きく、ビルドアップでたびたびボールを失い、ショートカウンターを浴び続けた。

相手のプレスをかいくぐってボールをどのように強力3トップに渡すのか、論理的な解決方法は持ち合わせていなかったが、いつかはボールは天才に渡るもの。そしてそこで少しでも彼らに余裕を与えてしまうと魔法がかかりゴールが生まれる。

そして、その天才たちを圧倒的なフリーランニングで援護する選手が現れた。その名はワイナルドゥム。前線のスペースを見逃さず走り出し、ボールをゴールに押し込んだ。その後も前へのフルスプリントを繰り返し、チャンスを演出した。その結果、奪ったコーナーキックから逆転弾をヘディングで流し込んだ。

彼はこれまで、PSGに馴染めず、自分の居場所を模索していたが、今日の試合で2得点を奪い、完全に生きる道を見つけたと言ってよいだろう。

PSGは試合終盤で逃げ切りに失敗し、ドローフィニッシュに終わったものの、ワイナルドゥムの活躍で1つオプションが加わった。

次節はマンチェスターシティとの首位攻防戦。どんな試合になるのか非常に楽しみだ。

 

スタメン

ネイマ、エンバペ(イカル)、ディマ(ドラク

ゲイェ、ダニーロ、ワイナ(エレーラ)

メンデス、キンペ、マルキ、ハキミ

ドンナルンマ

光るポチェッティーノ采配

PSG 3 ー 2 ライプツィヒ(CL3)

マンチェスターシティを下し、1つチームとしての形を作った前節。グループステージ第3戦の相手はこれまでの対戦相手とタイプは全く違うが、特徴のはっきりとしたチーム。PSGがどのように戦ったのか振り返っていきたい。

 

システムは前節同様433ではあるが、ネイマールが怪我のため欠場。代わりにドラクスラーが左ウイングに入った。

予想通りハイプレスマンツーマンを仕掛けてくる相手に対し、立ち上がり、相手ディフェンスの背後の広大なスペースを利用し、カウンターからゴールを奪う。2連敗中の相手に対し、簡単な試合になるかと思われた。しかし、相手のマンツーマンは衰えていくどころか、次第に力を増し、終始PSGの選手たちに圧力を与え続けた。そして奪ったボールを素早く前線へ運ばれ、PSGは多くのピンチを迎えた。相手の攻撃にうまく対応することができず、前半で同点にされ、後半には逆転弾を許してしまった。

ここでポチェッティーノ監督が動く。ダニーロとワイナルドゥムを投入、システムも532に変更し、ダニーロを中央センターバックに配置した。これで相手の縦へ速い攻撃も3人のセンターバックが後ろで待ち構え対応し、その結果、相手のウイングバックに対しても両サイドのハキミとメンデスがしっかりとアプローチすることができるようになり、守備が格段に安定した。

そして、前向きで奪ったボールは2トップのメッシとエンバペに送り、ゴールに迫った。魔法がかかったかのようにチームが生き返り、あっという間に2得点を奪い再逆転に成功し、試合を終わらせた。

負けているときに前線の枚数を増やすのではなく、後ろの枚数を増やすことによって2ゴールを奪った。

ポチェッティーノ監督の並外れた戦術眼にあっぱれ。

 

スタメン

ラク(ケーラー)、エンバペ、メッシ

ゲイェ(ダニーロ)、ヴェラ、エレーラ(ワイナ)

メンデス、キンペ、マルキ、ハキミ

ナバス

ゲイェとヴェラッティが復帰

PSG 2 ー 0マンチェスターシティ(CL2)

初戦を引き分けで終えたPSG。今回の相手はPSG同様悲願のチャンピオンズリーグ制覇を目指すマンチェスターシティ。強敵相手にどのような戦い方をしたのか。

グループステージ第2戦を振り返っていきたい。

 

 

初戦は4−3の守備ブロックでは思い通りに守備が行えず、形を変えながらなんとか90分間耐え引き分けに持ち込んだ。

そして、この試合も4−3の守備ブロックから変更はなかったが、中盤にトップオブトップの2選手、ゲイェとヴェラッティが加わった。

 

前者は守備範囲の広さと守備能力の高さで守備に安定ををもたらし、後者はボールホールディング能力の高さと抜群の展開力で攻撃を活性化させた。能力が図抜けた2人の選手が加わったことによって初戦での課題すべてを解決してしまった。

ドンナルンマはゴール前で最後の砦となり、マルキーニョスは強烈なリーダーシップでラインを統率し、キンペンベはしっかりと対人の強さを見せた。ハキミは持ち前の身体能力で攻守に貢献し、メンデスはまだ若いにも関わらず、味方選手と協力し、正しいプレーをし続けた。エレーラは直向きに90分間チームプレーに徹した。そして、ネイマール、メッシ、エンバペがテクニックとスピードで違いを出し、ゴールを目指した。先発のイレブンが個の力を存分に発揮し、強敵相手に大きな勝利を手に入れた。

この試合でPSGの1つの型が完成したと言ってよいだろう。

 

 

スタメン

ネイマール、エンバペ、メッシ

ゲイェ(ダニーロ)、ヴェラ(ワイナ)、エレーラ

メンデス、キンペ、マルキ、ハキミ

ドンナルンマ

形を模索した初戦

クラブ・ブリュージュ 1 ー 1 PSG(CL1)

チャンピオンズリーグ・ラウンド16のキックオフまで残り1か月半。

果たしてPSGはレアル・マドリーを破り、ファイナルまで辿り着くことができるのか。

これまでのグループステージでの戦いを1試合ずつ振り返っていきたい。

 

まずは9月の初戦。まだまだ体に切れのないタレントたちではあるが、クラブ・ブリュージュ相手ならメッシ、エンバペ、ネイマールの3人が個人技で圧倒するのではないかと予想していた。しかしそれは私があまりにも無知すぎた。蓋を開けてみれば、対戦相手はチームとして非常に成熟しており、個人能力も申し分ない。ホームアドバンテージもあり試合内容ではPSGを上回っていた。

ポチェッティーノ監督が配置を2度変形(4123→4312→3232)し、うまくごまかしながら対等に戦うことができ、PSGは勝ち点1をなんとか持ち帰ることができたと言ってよいだろう。

これからMNN3人を同時起用して、どのようにバランスを取り、チームを整え、ビッグクラブを相手にしていくのか。今後に向けて不安あり期待ありの初戦の90分となった。

 

スタメン

ネイマール エンバペ(イカルディ) メッシ

ワイナ(ドラグ) パレデス(ダニーロ) エレーラ

ディアロ(メンデス) キンペ、マルキ、ハキミ

ナバス